過酷な環境でもいいものはできる?

今回の記事は、日本が誇る文化、アニメーションの作り手側の労働実態について、勝手に考察してみたいと思います。

賃金について

私自身、かなり昔にアニメーションの制作に携わったことがあるので知っているのですが、現場でアニメーションを作っている人たちの賃金は、仕事量の割には低いです。

とくに、仕事量をまだこなせない若手は、コンビニのアルバイトより稼げないのが、当時の一般的な状態でした。

いまは改善されているのかなと思い、先ほどネットで調べたら、やはり昔とそれほど変わっていないようです。

(ちなみに、かなり腕をあげると、上場企業の会社員の給料ほどは稼げると、ベテランのアニメーターさんに聞いたことがあります)

安くても作るわけ

なぜ日本が誇る文化を作っている現場が、こんなに低賃金のままなのか考えていきましょう。

アニメーションの制作予算は、昔から少ないものでした。

その理由は、テレビアニメは安く作れるよと、最初に誰かさんがテレビ局に言ったからとされています。

発端はどうあれ、アニメーションが作られるようになってから何十年もたっているのに、なぜいまだに予算が少ないままなのか。

その答えとして考えられるのは、少ない予算でも制作会社がアニメーションを作ってくれるからだとおもいます。

安く作ってくれるのだから、発注側はわざわざ高い料金を払ったりしません。
当たり前のことです。

ではどうして、制作会社は安くアニメーションを作ってくれるのでしょう。

それはきっと、アニメーションを作ることが本当に好きだからだと思います。

・・・これ本気で言っています。

現場で腕を上げる人

アニメーションを仕事にしようと思う人は、その仕事の賃金が安いことを承知の上で、それでもアニメーションが好きなので、その業界に入ります。

アニメーションの現場は、職人の世界のような場所なので、お金のことをごちゃごちゃいうような新人は、腕が上がりません。

(私はごちゃごちゃいうタイプの新人でしたので、駄目でした(^_^;))

仕事の腕が上がるひとは、お金のことには文句を言わず、ひたすら仕事をこなすひとです。

文句を言わないという美徳が・・・

しかしながら、アニメーションの労働環境が改善しないのは、腕のいい人たちがあまり文句を言わないことが、大きな原因のひとつだと思います。

アニメーション業界で仕事を続けられる人はおもに下のような人です。

アニメーションの仕事が好き→仕事の腕を上げたい→お金は二の次、とにかく努力→努力したら腕が上がった→ベテランになって賃金も増えた→人並みの生活ができる→仕事にますます精を出せる→腕がさらに上がる→やっぱりアニメーションは楽しい→若い人も努力をすれば好きな仕事で食っていけるようになるから頑張りなさい。

先に述べたように、腕のいい職人さんは、あまりお金に関して文句を言いません。

お金の文句を言う人は、努力をあまりしない新人か、経営者になってしまった職人さんくらいのものです。

現場の人から文句がでないので、当然労働環境は変わらない。

もし外国だったら、ストライキとかを労働者が行うのでしょうけど、日本人にはストライキというものが根付いていないし、アニメーションを実際に作っている現場のひとたちは、そんなことをしていたら仕事が間に合わなくなると、本気で考えていたりします。

本当にアニメーション作りが好き

日本でアニメーションを作り続けている人たちは、本当にアニメーションが好きなんだと思います。

本当に好きだから、賃金が安くても続けられる。
本当に好きだから、長時間労働をして腕を磨くことができる。
本当に好きだから、賃金に関係なく精一杯良いものを作ろうとする。

だから安くても良いものができる。
それならこのままでいいじゃないかと発注側は考える。

頑張るから変わらない?

現場の腕のいい人は、労働環境がどうであろうと頑張れます。
頑張れない人は、離脱していきます。

現場に残った腕のいい人たちは頑張る人なので、その人たちの頑張りでアニメーションの現場は支えられています。

言い方を変えると、その人たちがいれば支えられるので、壊れない。
壊れないから再生もしない。
・・・頑張れば頑張るほど、今の状態が維持される。

なんだか心理療法の現場でよく目にする、もがけばもがくほど深みにはまる、問題解決のジレンマのようです。

解決策はあるのか

この問題に解決策はあるのか妄想してみましょう。

解決策1

現場がしっかり文句を言う。

問題点

腕のいい職人の意識改革が必要。
意識改革をした結果、職人の腕が落ち、作品の質が下がる。
文句を言った結果、アニメーション制作の予算が降りず、作品が作られなくなる。

解決策2

制作に口を出さない大金持ちにスタジオを作ってもらい、億単位の制作費をすべてだしてもらう。

問題点

日本にスティーブ・ジョブズがいないこと。

解決策3

日本のアニメーション制作を一旦やめる。ストライキ。

問題点

職人たちの収入がなくなる。

解決策について

解決策1は、日本人の職人気質を変えるのが何より難しそうです。また、変えるといまの良さがなくなるのかもしれませんね。

解決策2は、トイストーリーでおなじみの、アニメーションスタジオ、ピクサーのことです。

ジョブズがピクサーを守って育てたともいわれています。

解決策3は、とてもまっとうな手段だと思います。ただ、ストライキをする勇気は試されるでしょう。

まとめ

前々からどうして日本のアニメーション業界は、あの過酷な労働環境でいいものを作ることができるのか疑問に思っていたので、今回は心理療法家の視点でそれを考察してみました。

考察した結果、本当に好きだとお金に関係なくやれてしまう。
やれてしまうので、本人たちは実はそれほど困っていない。
困っていないので、現状維持。

こんな感じかなと思います。

アニメーション業界について他の方が書いてた記事に、ヤマトやガンダム世代のベテランが引退したら、アニメーション業界は崩壊するだろうと書いてありました。

しかし私個人がこの記事を書きながら思ったのは、日本人は頑張り屋さんが多いので、これからもこの状態が続くんだろうなということです。

私自身は、日本のアニメーションが存続しようがなくなろうが、正直どちらでもいいです。

また、労働環境の問題は、本人たちが本当に困るまでは変わらないだろうなとおもいます。
最後に、なんだかんだで現状でもヒットする作品はちゃんとあるので、意外に誰も困っていないのかもしれませんね。

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